ぎゃらりーhuでの展示では、今まで器で釉薬の流れの部分で表していた、
「人の技ではコントロールしきれない自然を受け入れて味わう」という感じを拡大して、オブジェにしてみようと挑戦してみました。
初めてのオブジェの展示で気合を入れすぎたせいか、窯を開けたらそこには思ってたのと違うモノが・・・
はじめはショックを受けましたが、考えてみるとこれこそが「人の技ではコントロールしきれない自然」の部分がとてもよく現れているのです。
思ってたのと違うのができる事を最初から思っていなければならなかったわけで、
思い通りに思ってたのと違うモノができたと思わなければいけないのです。
・・・僕は何を言っているのでしょうか?
初挑戦としてオブジェのクオリティは、参加してる作家さんやぎゃらりーhuさんの懐の深さに甘えるとしても、
コンセプトとしてはちゃんと筋が通っていると胸を張って言える・・・はずです。
とにかく自分で作ってみて自分の作品意図をもう一度気づかされたような。
もう一つ印象深かった事が。
今回偶然、名古屋パルコのアパレルのお店での展示と同時進行になったのですが、
パルコで僕の器を買ってくれたお客さんが、huの展示に来てくれました。
そのお客さんは最初は服を買うつもりだったのが、僕の器をたどって最終的に普段あまり縁のなかった現代美術系のギャラリーにたどりついたわけです。
陶器は人の生活に深く結びついていて、なおかつちょっとわかりにくいアートの世界にもつながっているので、
日常生活とアートの場所の境界線を陶器を道しるべに人を行き来させることができるのではないでしょうか?
自然と人の生活の境界線も同じような感じで行けそうです。
僕のやりたい事というのは、そういう陶器の力を使って人がいろんな境界線上を自由に歩き回れるようにする事なんじゃないのかと、
なんとなく気づいたような・・・
huさんでの展示、僕にとって転換点になったのかも。
28日(日)に在廊いたします。
http://galleryhu.com/exhibitions/detail/?id=1718
(啓)